アクティベータ・メソッド物語②
こんにちは、けんこうカイロプラクティックセンター 岩崎久弥(いわざきひさや)です。
アクティベータ・メソッド物語①は、すでに読んでいただけましたか?PDFにまとめた物語を添付しておきます。
アクティベータ・メソッド物語②
ある晴れた日のことでした。1971年、若いカイロプラクターであったアラン・ファー(Alan Fuhr)は、共同創始者のアーロン・リー(Arlan Lee)と共に、アメリカで最も名高いカイロプラクティックイベントのひとつに参加していました。イベント会場では、カイロプラクティックの歴史や技術、そして新しい治療法について語り合う人々の活気で満ち溢れていました。
その中で、ファー先生はある女性と出会います。年配の女性がブースにやってきて、血圧の検査をお願いしたのです。彼女は「メイベル・デアフィールド(Mabel Derefield)です」と自己紹介し、彼女と夫が開発した方法について話し始めました。最初は半ば流し聞きしていたファー先生ですが、彼女が「相対的下肢長測定」という技術を説明し始めると、その内容に引き込まれていきます。彼女の知識の深さと技術のユニークさに触発され、フーアはこの方法を自分の治療に取り入れることを決意しました。
さらに、彼とリー先生は「トラスコットシステム」という別の技術にも出会います。この方法は、カリフォルニア州のレオン・トラスコット(Leon Truscott)が開発したもので、頚椎のサブラクセーションが身体のアンバランスを引き起こすことを示す下肢長測定を利用するものでした。この新しい視点に触れたフーアたちは、自分たちの方法をさらに改良し、独自の検査法を構築していきます。
そんなある日、フーアは自分自身が治療を必要とする事態に陥ります。彼は左の肋骨に鈍い痛みを感じ、若いアソシエイトドクターに診てもらうことにしました。その診察の中で、左腕を上げた際に下肢の長さに変化が見られることが発見されます。この経験がきっかけとなり、後に「アイソレーション・テスト」と呼ばれる検査法が生まれました。このテストは、患者の身体の動きに基づいてサブラクセーションの位置を特定する画期的な手法でした。
こうして開発された方法をさらに広げるべく、リーとフーアは特別な治療台の設計にも取り組みました。この治療台は、検査と治療を効率的に行うために特化したもので、カイロプラクティックの新たな可能性を示すものでした。
しかし、リー先生とファー先生はこれだけでは満足しませんでした。当時の手技では、ドクター自身の肉体的な負担が非常に大きかったのです。特に、繰り返しのスラスト操作による疲労や関節の痛みに悩まされていました。そこで、彼らは従来の方法に代わる新しい器具の開発に乗り出します。そして誕生したのが、今ではカイロプラクティック界で広く使われている「アクティベータ器」だったのです。この器具は、操作の速度、力、方向を正確にコントロールできるだけでなく、施術者の負担も軽減する画期的な発明でした。
アクティベータ・メソッド物語② PDF版