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偏頭痛・緊張型・頚性頭痛の違いと、カイロプラクティックでできること

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偏頭痛・緊張型・頚性頭痛の違いと、カイロプラクティックでできること

はじめに



頭痛は“警報アラーム”。火事を検知して火災報知器のアラーム音(痛み)だけ止めても、頭痛の原因(首の骨の歪みや自律神経の乱れ)が残れば、また火災報知器は、警報アラームが鳴ります。 カイロプラクティックは、頭痛の警報アラームを消すことを目的としていません。頭痛の原因となっている頚椎の歪みによる神経が緊張している部位をみつけて、頭痛の根本原因にアプローチします。







頭痛の種類と適応



✅️頚性頭痛(Cervicogenic Headache):首由来。頚椎・筋膜の機能不全や感作と関係。脊椎マニピュレーション(SMT)で頻度/強度/機能が改善したランダム化試験あり(2024, PLoS One)。



✅️偏頭痛(Migraine):中枢感作・三叉神経血管系が関与。SMTで改善を報告するRCTがある一方、系統的レビューではエビデンスの質や一貫性に慎重(2024)。 



✅️緊張型頭痛(Tension-type):頚肩の筋緊張・ストレス関連。古典的RCTは混合結果(1998 JAMA)。マニュアルセラピー全般で生活の質改善を示す報告も。

 




カイロプラクティックと頭痛の関係|研究の要点

✅️頚性頭痛:頚椎SMTが痛みの強さ・頻度・障害度・QOLを有意に改善(頚椎SMTは胸椎SMTや従来理学療法より優位)

SMT(Spinal Manipulative Therapy)とは
SMT は、手技(徒手療法)の一形態で、脊椎の関節(椎間関節、椎骨運動ユニットなど)に対して、操作(マニピュレーション)や動かす操作(モビリゼーション)を行う治療技術を指します。

具体的には、低振幅・高速(High Velocity Low Amplitude:HVLA)な刺激を加える操作(スラスト)や、関節可動域内で徐々に動かすモビリゼーション(関節可動性を改善する手技)などが含まれます。




✅️偏頭痛:2000年RCTで一部患者に改善報告。2024年の最新系統的レビューは“効果の可能性はあるとの報告

RCT(Randomized Controlled Trial)とは
RCT(Randomized Controlled Trial)=ランダム化比較試験 の略です。

定義

RCTとは、ある治療法や介入の効果を科学的に検証するための最も信頼性が高い研究方法のひとつです。 被験者をランダム(無作為)に分けて、治療を受けるグループ(介入群)治療を受けない、または別の治療を受けるグループ(対照群)を比較します。

この「ランダム化」によって、年齢・性別・病状・生活習慣などのバイアス(偏り)をできるだけ減らし、純粋に「治療そのものの効果」を見極められるようにするのです。


RCT試験は、かなり厳密な試験ですので、信頼性があります。





✅️複合介入:SMT+軟部組織介入で頚性頭痛の長期成績が良好というRCT(2024)。



アクティベータ・メソッドは頭痛にどのように作用する

✅️低振幅・高速の器具補助インパルスで、関節受容器・筋紡錘・皮膚機械受容器へターゲット入力 → 固有感覚の再調律、局所/中枢の過敏さ軽減を狙う。

✅️頭痛だけに特化した強いRCTは少ないが、首痛に対するアクティベータ(器具)の長期RCTでは、徒手操作・モビライゼーションと同程度の臨床成績が報告。安全性や低侵襲を重視する患者に適合。 

✅️血行動態影響の比較(徒手vs器具)など基礎系の臨床研究も進みつつある。 



アクティベータ・メソッド作用メカニズム

✅️首の神経は三叉神経—頚髄(TCC)で情報が交差。首の“ノイズ”が頭の痛み回路を巻き込みやすい。 ✅️アクティベータはピンポイントの微弱刺激で、過剰に働いている神経の緊張感を整えるイメージ。 ✅️自律神経(睡眠・呼吸・血管トーン)にも波及。過緊張(交感亢進)→筋緊張→頭痛の連鎖を切る。



けんこうカイロでの進め方



1.スクリーニング・問診にて

レッドフラッグ・危険な頭痛を鑑別する(くも膜下・椎動脈解離・感染・腫瘍など)除外。必要時は医療機関へ即連携。安全第一。





2.評価:頭痛分類(ICHD-3準拠)

頚椎可動性、眼球運動、筋膜トリガー、自律神経バランス計測(けんこうカイロプラクティックセンターの強み)



3.施術



アクティベータ中心に、頚椎・上部胸椎・肋椎関節・顎関節・後頭下筋群へ最小刺激。必要に応じ軟部組織テクニックを併用(筋肉の緊張を緩和させる)



4.セルフケア:


✅️30–60秒のマイクロドリル(顎—舌位—鼻呼吸、頚深層屈筋“うなずき”)
✅️3秒吸って6秒吐く呼吸で副交感神経がオンになる
✅️スクリーンタイムを長くしない
✅️水分をしっかりとる
✅️カフェインをとりすぎない
✅️睡眠をしっかりとる
✅️経過判定:頻度・強度・頓用薬量・機能(HIT-6, NDI)で可視化。




カイロプラクティックは、どの頭痛に“より効きやすい”?

✅️頚性頭痛:エビデンス強め(頚椎SMTが有効)。アクティベータは低侵襲で再現性が高く、反復入力に向く。 

 ✅️緊張型頭痛:体性感覚—ストレス軸に働きやすい



リスクと安全

カイロプラクティック施術後には、一過性のだるさ・局所痛がある場合があります。

症例ミニストーリー

✅️Aさん(40代女性・頚性頭痛):週3→月1へ頻度低下 頚椎アクティベータ

✅️Bさん(30代男性・緊張型):午後の締め付け感が半減。舌位・鼻呼吸で肩甲帯の過緊張を自己調整。

✅️Cさん(50代女性・偏頭痛):トリガー(寝不足・甘味)管理+上部頚椎アクティベータ・メソッドのケアで頓用薬量が1/3に減少。

来院の目安

施術前後の自律神経バランス測定結果によって、施術間隔、来院の目安をお伝えします。



研究ソース

🌟頚性頭痛ランダム化試験(2024, PLoS One):頚椎SMTが胸椎SMT・従来理学療法より有意に良好。
🌟偏頭痛:RCT(2000)と最新系統的レビュー(2024):効果報告はあるが、エビデンスの質・一貫性・安全性に慎重な結論。 
 🌟複合介入(2024):SMT+器具を用いた軟部組織介入が頚性頭痛の長期アウトカムを改善。


アクティベータ関連:

🌟頚部痛RCT(12か月)で、徒手やモビライゼーションと同等の臨床効果(頭痛特化ではないが参考)。
 🌟手技 vs 器具の血行動態比較(2023):生理学的差異の検討(頭痛アウトカムは未確立)。 
 🌟緊張型頭痛の古典的RCT(1998 JAMA):混合結果。臨床では個別化が必要。