頚部ジストニア(痙性斜頸)の原因と施術法をわかりやすく解説 その1
こんにちは、けんこうカイロプラクティックセンター 岩崎久弥です。
毎日のように頚部ジストニアで悩む方々が来院されたり、LINEから問い合わせがあります。
今回は、頚部ジストニア(痙性斜頚)について12年前に書いたブログに加筆をして再度アップすることにしました。
このUさんとの出会いが、私とけんこうカイロプラクティックセンターにとって、頚部ジストニア・痙性斜頚で悩む方々が日本中から来院して下さるようになりました。
Uさん、ご来院いただきありがとうございました。
頚部ジストニア・痙性斜頚で悩むUさんこれまでの経緯
2013年2月頃
首が右に向いてしまう症状が現れる インターネットで症状を検索し、ジストニアを疑い、専門医に相談するも、整形外科受診を指示される2013年5月
整形外科を受診するも、異常なしと診断されるその後、神経内科を受診し、ジストニアと診断さる。確立された治療法はない
ボトックス注射とは
ボトックス注射とは
ボトックスはボツリヌス菌から抽出されるたんぱく質の一種で、神経伝達物質「アセチルコリン」の伝わりを弱める働きがあります。
例えば、筋肉が緊張している部分にボトックスを注入すると、神経を通して送られる「筋肉を動かせ!」という命令が弱められ、筋肉がリラックスした状態になるのです。
ボトックスは1970年代から眼科、神経内科において、顔面チックや斜視、斜頚など、筋肉の活動亢進から起こる多くの疾患に用いられており、日本でも眼瞼痙攣の治療薬として、1997年4月から厚生労働省の認可を受けており、その安全性はすでに確立されています。
日本国内においてはA型ボツリヌス毒素製剤(商品名:ボトックス注用50単位・100単位)が注射剤として、1996年に眼瞼痙攣、2000年に片側顔面痙攣、2001年に痙性斜頸、2009年に2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足、2010年に上肢痙縮・下肢痙縮、2012年に重度の原発性腋窩多汗症の適応で承認されている。また、2013年3月26日、B型ボツリヌス毒素が製品名「ナーブロック」としてエーザイより発売された。
米国においては、斜視、痙性斜頸、眼瞼痙攣、上肢痙縮、多汗症に加え、神経学的疾患による過活動性膀胱、慢性片頭痛の適応で承認されている。なお、日本では使用にあたり講習会を受けなければならない。Uさんの症状
Uさんの症状ですが、下を向くと自然に首が右に向いてしまいます。不思議なことに、左手で顎の付近を押さえていると右に向くことはありません。一度、右に向いてしまうと、手を添えずに元の位置に戻すのが難しいです。 また、うつ伏せや仰向けの状態ではこの症状は起こらず、立位と座位でのみ発生します。私はこの立位と座位でのみ起こる点に注目しました。何らかの条件付けがされ、脳の誤作動が起こっている可能性があります。 第1回目の施術では、まず神経関節機能バランス(サブラクセーション)のチェックをアクティベータ・メソッドで行いました。頚部の症状でも、神経関節機能バランス(サブラクセーション)は全身をチェックすることが必須です。特定の部位のみの治療では、見逃してしまう身体の緊張部位(サブラクセーション)が原因となっている可能性があります。 Uさんにも全身に神経関節機能バランス(サブラクセーション)の乱れが見られたため、全身の調整を行いました。もちろん、症状のある頚部も念入りにチェックしました。特に斜角筋と胸鎖乳突筋に反応がありました。胸鎖乳突筋と斜角筋
胸鎖乳突筋は、第Ⅺ脳神経(副神経)と頸神経叢(第三枝、第四枝)の神経支配をうけるので、けんこうカイロプラクティックセンターでは、頚部の神経の緊張をしっかりと検査しています
斜角筋は、斜角筋は頚神経叢(C3~C4)と腕神経叢(C5~C7)の神経支配を受けます。けんこうカイロプラクティックセンターでは、胸鎖乳突筋と同じく、頚部の神経の緊張をしっかり検査します。