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太ももの裏の痛み・しびれは本当に坐骨神経痛?その原因と正しい対処法とは

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太ももの裏の痛み・しびれは本当に坐骨神経痛?その原因と正しい対処法とは

こんにちは、けんこうカイロプラクティックセンター 岩崎久弥(いわざきひさや)です





昨日、太ももの裏にしびれを感じて困っている方から、けんこうカイロプラクティックセンターに問い合わせがありました。足のしびれという症状は不安を感じるものですから、すぐに相談していただけたことを感謝しています。



その方は電話で保険会社の医療相談を行い、「坐骨神経痛ではないか?」とアドバイスを受けたそうです。



整形外科でMRI検査を勧められたとのことでしたが、果たしてこのしびれが本当に坐骨神経痛によるものなのか、もう少し冷静に考える必要があると考えているのでブログにしました。



自分が坐骨神経痛だと思ったら…



多くの方は「太ももの裏が痛い、しびれる=坐骨神経痛」と考えがちです。確かに、坐骨神経痛は太ももの裏やお尻に痛みやしびれを感じることが多いですが、必ずしもすべてが坐骨神経痛とは限りません。例えば、筋肉や関節の問題、血管の異常、他の神経の障害など、さまざまな原因で同様の症状が現れることがあります。

下の図をよく見て下さい。座骨神経痛とおっしゃっている方の多くがこの赤い部位に痛みを感じています。







トリガーポイントとは



トリガーポイントとは、筋肉の中にできる硬い結び目やしこりのことで、触ると痛みを感じる敏感な箇所です。これは、筋肉が過度に緊張したり、損傷したりすることによって引き起こされます。トリガーポイントは、痛みをその部分だけでなく、体の他の部分にも放散することがあるのが特徴です。この現象を「関連痛」と呼びます。

例えば、肩や首の筋肉にトリガーポイントがあると、その痛みが頭にまで放散し、頭痛を引き起こすことがあります。これはしばしば「筋筋膜性疼痛症候群(MPS)」と関連し、慢性的な痛みの原因となることもあります。

トリガーポイントの原因:

•長時間の同じ姿勢や不良姿勢 •ストレスや筋肉の過使用 •怪我や外傷 •不適切な体の使い方

アクティベータ・メソッドは、トリガーポイントに対する施術にも対応しています。





医療相談ですすめられたMRI検査ですが、実際にはMRIを撮ることが本当に必要かどうか、慎重に判断することが大切です。もちろん、大きな病気が疑われる場合は、早期発見が命を救うこともあるので検査を受けることは重要です。

MRIでの検査は必要か?



腰のX線撮影による放射線被曝量
腰のX線撮影による放射線被曝量は、胸の写真に換算すると150回分に相当し、4方向から撮影した場合、卵巣への被曝量は6年~98年間毎日、胸の写真を撮った被曝量に匹敵。



参考 http://1.usa.gov/ify8x6

http://1.usa.gov/kjcHDP




腰痛患者421名をX線撮影群と非撮影群
腰痛患者421名をX線撮影群と非撮影群に割り付け、9ヶ月間にわたって追跡調査した結果、非撮影群に比べるとX線撮影群は痛みの持続期間、活動障害、健康状態の成績が悪く、受診回数も多かった。不安や恐怖は治癒を妨げている。



参考URL http://1.usa.gov/ihdsPJ 





腰痛を発症していない成人の76%に椎間板ヘルニアがみつかります。



多くの患者さんが「MRI検査が必要だろう」と考える背景には、画像診断が何かしらの異常を見つけてくれるだろうという期待があります。しかし、MRIやレントゲンで見つかる異常が、実際に痛みやしびれの原因になっているとは限りません。腰痛を発症していない成人の76%に椎間板ヘルニアがみつかるという不都合な真実もあります。



実際、腰痛を経験していない健康な成人の76%に椎間板ヘルニアが見つかるというデータがあります。つまり、痛みやしびれを感じていなくても、画像診断で何らかの異常が見つかる確率は非常に高いのです。これを受けて、不必要な不安や恐怖を抱くことが、結果的に回復を遅らせる要因になることもあるのです。

不安が痛みの回復を妨げる「負のスパイラル」



画像診断で異常が見つかると、誰でも「何か大きな問題があるのでは?」と感じ、不安になるのは自然なことです。しかし、不安や恐怖心が強まると、痛みや症状がさらに悪化することがあることをご存じですか?

何か大きな問題があるの



この「不安→恐怖→症状悪化→さらに不安」という負のスパイラルに陥ってしまうと、本来治るはずの痛みも長引いてしまうことがあります。私たちは、このようなスパイラルに陥らないために、まずは冷静に状況を判断し、必要以上に不安を抱かないことが大切だと考えています。





X線撮影だけでなくMRIやCTも役立たない
腰痛患者782名を対象としたMRIかCTを早期に使用した場合の臨床転帰と費用対効果に関するRCT(ランダム化比較試験)では、早期画像検査による臨床転帰の改善は認められず費用対効果が低いことが判明。X線撮影だけでなくMRIやCTも役立たない。

出典先:http://1.usa.gov/s0OkVE


臨床転帰(りんしょうてんき)
「臨床転帰(りんしょうてんき)」とは、医療において患者の治療や介入の結果として現れる、健康状態の変化や最終的な結果を指す言葉です。これには、治療後の症状の改善や悪化、再発、完全回復、機能回復の度合いなど、患者の健康に関するあらゆる結果が含まれます。

例えば、ある治療法を用いて腰痛患者が痛みが軽減した場合、その治療の「臨床転帰」は「痛みの軽減」という形で表されます。臨床転帰は、治療の効果を評価するために非常に重要で、医療現場ではしばしば治療法の有効性や安全性を評価する際に使われます。




腰痛がある方が検査を受けるべき症状

以下のような症状がある場合は、早急に検査を受けることをお勧めします。

  • 年齢20歳以下または55歳以上での腰痛
  • 最近大きな怪我をした
  • 安静にしていても痛みが強くなる
  • 胸部に痛みがある
  • 癌、白血病などの既往歴がある
  • ステロイドの長期使用歴がある
  • 薬物乱用、免疫抑制剤の使用、HIVの既往がある
  • 全身の体調不良、発熱、原因不明の体重減少
  • 排尿や排便に困難がある
  • 背骨が異常に曲がっている
これらの症状がある場合は、何らかの深刻な疾患が関与している可能性があるため、すぐに整形外科で診察を受ける必要があります。



まとめ

太ももの後ろの痛みやしびれが必ずしも坐骨神経痛ではない理由は、他の原因が関与している可能性が高いからです。整形外科での検査やMRIが必ずしも悪いわけではありませんが、検査結果に過剰に依存し、不安を抱えることで症状が悪化することもあります。 適切な診断と治療を受けるためには、まずは冷静に自分の症状を見つめ直し、不安に囚われずに対処することが大切です。必要があれば専門医の診察を受ける一方で、不安を抱え込まずに前向きなアプローチを心がけましょう。