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男子中学生駅伝・長距離選手の陸上イップスと上半身の緊張〜体幹バランスとスポーツ障害〜

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男子中学生駅伝・長距離選手の陸上イップスと上半身の緊張〜体幹バランスとスポーツ障害〜

こんにちは、けんこうカイロプラクティックセンター 岩崎久弥です







陸上競技にもある「イップス」



イップスといえば、野球の投手やゴルファーを思い浮かべる人が多いと思います。

「陸上競技のランナーにもイップスがあるの?」と驚かれる方も少なくありません。

イップスとは?
イップス(Yips)とは、本来できていた動作が突然できなくなってしまう現象を指します。

特にスポーツの世界でよく知られていて、投球やスイング、キック、そしてランニングのフォームなど、無意識で行えていた動作が「思い通りにできない」状態に陥ります。

●原因

✅️強いプレッシャーやストレス

✅️過去の失敗体験による恐怖心

✅️自律神経の乱れによる筋肉の異常反応

✅️筋肉や神経系の過緊張



単なる「気持ちの問題」ではなく、心と体の両方のバランスが崩れた時に起こる複雑な現象です。




実は、走ることに関わる“イップス”というものも存在します。フォームが乱れたり、体が動かなくなったり、力が入らなくなるといった状態です。

以前、私は「アスリートのイップス」というテーマでブログを書いたことがあります。そのときも、多くの反響をいただきました。



三重県から来てくれた中学生アスリート

先日、三重県から静岡市まで、男子中学生駅伝選手のT君が来院されました。遠方からのご来院、本当にありがとうございます。

主訴

T君の悩みは「走っているときに腕が無感覚になる」「両腕が重くて振れない」 というもの。

「走っているときに腕が無感覚になる」「両腕が重くて振れない」





結果として、大会でもタイムが伸びず、今まで勝っていた同級生や下級生に負けてしまう。さらに「自分のフォームがどんなだったか思い出せない」という不安に苦しんでいました。



不調の経緯

✅️2024年11月中旬:駅伝大会で目標タイムに届かず敗退。

✅️2024年11月下旬:練習中から腕のだるさ・肩の痛み。

✅️025年1月:足の痛みで整形外科を受診、10日ほど休養。

✅️20252月:走っても腕が振れず、過呼吸に。

✅️20253月:胃痛で病院へ。マッサージ整体にも通い始める。





このような経緯を経て、けんこうカイロプラクティックセンターにたどり着きました。



自律神経バランスの乱れ



当院ではまず、自律神経バランスを測定しました。結果は「副交感神経優位」の状態。

本来、昼間は交感神経が働き、体を動かす準備が整うのですが、副交感神経が優位だと“体が重い”“だるい”といった症状が出やすくなります。



副交感神経が優位になったときに出やすい症状(10個)
1.強い眠気

 昼間でも眠たくなり、集中力が低下する。


2.体のだるさ・倦怠感

 休んでも疲れが抜けにくく、体が重く感じる。


3.低血圧による立ちくらみ

 血管が拡張しすぎて、立ち上がったときにふらつく。


4.冷えやすい

 血流が末端に届きにくく、手足が冷たくなる。


5.消化器症状(胃痛・下痢・腹部の違和感)

 消化機能が活発になりすぎ、下痢や腹部不快感を招く。


6.呼吸が浅くなる・息苦しさ

 過剰にリラックスしてしまい、呼吸のリズムが乱れる。


7.集中力や思考力の低下

 勉強や仕事のパフォーマンスが落ちる。


8.脈が遅くなる(徐脈傾向)

 心拍数が下がりすぎて動悸や息切れを感じることもある。


9.過度な発汗

 副交感神経の作用で、胃腸の不調や冷や汗が出る。


10.やる気が出ない・抑うつ気分

 活動エネルギーが低下し、気分が沈む。




上半身の筋肉バランスがカギ

さらに体幹バランスをチェックすると、左半身に力が入らない状態。



特に注目したのは僧帽筋と広背筋。これらの筋肉にトリガーポイントがあり、緊張が強く出ていました。



僧帽筋や広背筋の緊張は、腕に違和感を起こす原因になります。私自身、長年アスリートの治療を続ける中で、この関係性に気づきました。

T君もまさにこのパターンで、腕が振れないため骨盤が動かず、前に進めなくなっていたのです。

駅伝やマラソンは「腕の振りと骨盤の連動」が命。上半身が固まると、下半身も力を発揮できません。



アクティベータ・メソッドによるケア



T君には、アクティベータ・メソッドを用いて神経系の緊張を緩和しました。

カラダ全体のバランスを整え、僧帽筋や広背筋の緊張を解除するケアを行ったところ、**「腕がスッキリ振れる!」「走れる感じが戻ってきた!」**と笑顔になってくれました。



私自身も、その瞬間とても幸せを感じました。



今後の施術プラン



もちろん、1回の施術で100%改善するわけではありません。体幹バランスや神経系の安定には、継続的なケアが必要です。

T君には施術プログラムを提案し、今後も少しずつ改善を積み重ねていく予定です。

三重県から静岡まで、片道3〜4時間かけて来院してくれたことに感謝します。「今日は気持ちよく走れているかな?」と今も思いを馳せています。



まとめ



駅伝やマラソンの選手にとって、イップスやフォームの崩れは深刻な悩みです。それは単なる「心の問題」でも「筋肉の問題」でもなく、心と体のバランスの乱れが大きく関係しています。

けんこうカイロプラクティックセンターでは、自律神経バランスの測定とアクティベータ・メソッドによる施術で、アスリートの体幹と神経系を整えるサポートをしています。

もし同じように「走っても腕が振れない」「体が重い」「思うように走れない」といった悩みをお持ちでしたら、ぜひご相談ください。



院長 岩崎久弥 けんこうカイロプラクティックセンター(静岡市葵区)

あなたのご来院お待ちしています。