何度も再発する高校生短距離選手の腰椎分離症による腰痛
こんにちは、けんこうカイロプラクティックセンター 岩崎久弥(いわざきひさや)です。
先日、高校生短距離選手が来院されました。主訴は、腰椎分離症による腰痛
思い通りに練習ができないことへのストレスから来院を決意されたようです
今までの検査の経緯
CT (computed tomography ) 検査を3回 MRI(Magnetic Resonance Imaging)検査を1回検査を何度も受けているのは、治らないので整形外科を転々としているから
ここで整理しましょう。 腰椎分離症は、本当に腰痛の原因になるのだろうか?
しかし最近の研究では、腰椎分離症が必ずしも腰痛の原因にならないことが分かってきました。
脊椎分離症・腰椎分離症は腰痛の原因ではないという根拠
まずはこの研究を紹介します。
1992年にアメリカのBigos氏のグループのよる研究
この研究は、
1.会社の雇用前に健康診断を受けた入社希望者203名
2.急性腰痛を発症した労働者207名
3.6か月以上の慢性腰痛患者200名
を対象に2名の医師により、レントゲンの画像診断によって、骨の異常検出率を比較した検査です赤枠で腰椎分離症の部分を囲いましたが、健康診断を受けた方々の9.1%(203人中18人)に腰椎分離症がみつかっています
しかし、急性腰痛や慢性腰痛で腰痛を訴えている方の方が、腰椎分離症と診断を受けている方が少ないという事実です。
レントゲン撮影は、腰痛の回復を遅らせる!
腰痛が10週間(中央値)続いている41名の患者を対象に、X線撮影群と撮影しない対照群に無作為に割り付け、経過を9ヶ月間にわたり追跡調査した結果の研究を紹介します
びっくりします。
Kendrick D.(2001年)による研究
腰痛が10週間(中央値)続いている41名の患者を対象に、X線撮影群と撮影しない対照群に無作為に割り付け、経過を9ヶ月間にわたり追跡調査した結果
対照群に比べてX線撮影群は、痛みの持続期間、活動障害、健康状態の成績が悪く、受診回数も多かった。
この結果による世界の研究者の見解は、X線撮影による被爆の影響ではなく、
レントゲン写真を見た患者は自分が重病だと思い込み不安や恐怖心が高まった結果によるもので、心理社会的因子が腰痛の回復を遅らせると結論づけていますレントゲンは回復を遅らせる根拠のグラフ