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なぜ五十肩は長引くのか、そしてある日突然良くなるのか?〜カイロプラクティック的にひも解く肩の不思議〜」

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なぜ五十肩は長引くのか、そしてある日突然良くなるのか?〜カイロプラクティック的にひも解く肩の不思議〜」

こんにちは、けんこうカイロプラクティックセンター 岩崎久弥です。







1. 五十肩の一般的理解





五十肩は医学的には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、関節包や靱帯・腱板(けんばん)などの炎症により、

✅️肩の動きが制限される(可動域制限)

✅️強い痛み(特に夜間痛)

が長期間続く状態です。

典型的な経過は「急性期 → 拘縮期 → 回復期」と言われ、数ヶ月〜1年以上かけて自然に回復するとされます。

2.五十肩の痛みの流れ

三期の流れ(一般的な説明)



1.急性期(炎症期)

✅️期間:数週間〜数ヶ月
✅️特徴:強い痛み(特に夜間痛)、動かすと鋭い痛み
✅️炎症が関節包や腱板に起きている状態
✅️痛みを避けるため、動きが減少しはじめる




2.拘縮期(凍結期)

英語で五十肩をFrozen shoulder(フローズンショルダー)と呼ばれるのは、この凍結期のことです。



✅️期間:数ヶ月〜半年以上
✅️特徴:痛みはやや落ち着くが、肩の可動域が著しく制限される
✅️関節包が硬く縮み、“凍りついた”ように動かない(Frozen shoulder)
✅️動かせる範囲が制限され、日常生活に支障が出る




3.回復期(解凍期)

✅️期間:数ヶ月〜1年以上
✅️特徴:徐々に可動域が回復し、痛みも軽くなる
✅️関節包の硬さが取れ、動作パターンが改善していく






3. カイロプラクティック的な視点

五十肩は「肩だけの問題」ではなく、 • 首(頸椎)や胸椎の可動性低下 • 肩甲骨の動きのアンバランス • 自律神経の緊張(交感神経優位) • 長期的な姿勢習慣(デスクワーク・猫背) といった全身的な要因が複雑に絡み合って起こります。 特にカイロプラクティックでは、 「神経系の働きが回復し、動きのパターンが変わることで症状が一気に軽快する」 という現象をよく観察します。 ⸻

4. なぜ治らないのか?



五十肩になっても治療を受ける人と、治療を受けないで我慢している人がいるのですが、実際どちらが早く治るのか?

痛みを抑え込む、痛み止めや湿布は、原因の治療ではなくて、対症療法です。



なぜ五十肩は治らないのですか?。

(1)関節包と筋膜の“硬さの記憶”

関節包や筋膜は、炎症後に「縮み癖」を残すことがあります。これはロープが濡れて乾いた後に硬く縮むようなイメージ。 可動域が狭いまま動かしていると、その状態が神経系にも“正しい動き”として記憶され、改善が遅れます。

(2)痛みによる悪循環

痛み → 動かさない → 血流低下・代謝低下 → 硬さが増す → さらに痛い このループが長期化します。特に夜間痛は交感神経を高め、回復力を下げます。

(3)原因へのアプローチ不足

湿布や鎮痛薬、肩周囲のマッサージだけでは、根本的な動きの改善や神経系のリセットができません。 ⸻ 5. なぜ突然治るのか? (1)神経系のスイッチが切り替わる 脳と脊髄は、痛みや動きの情報を常にアップデートしています。 ある時、十分な可動域刺激や正しい運動パターンが入力されると、 「もう肩を守る必要はない」と脳が判断し、動きの制限が一気に緩むことがあります。 (2)関節包の癒着が剥がれる瞬間 長期間縮こまっていた関節包や筋膜が、適切な動き・施術・温度変化などで“ふっと”解放される瞬間があります。 これは固まっていた氷が温度の上昇で一気に割れるようなもの。 (3)自律神経バランスの改善 夜間痛が減り、眠れるようになると副交感神経が優位になり、修復が進みます。 「昨日まで痛かったのに、今日はスッと動く」という経験は、この背景によることが多いです。 ⸻

6.五十肩に対するアクティベータ・メソッドの学術論文



けんこうカイロプラクティックセンターで使用するアクティベータ・メソッド・カイロプラクティック・テクニックの五十肩に対する症例報告がありますので、紹介します。。



論文情報



✅️タイトル:Chiropractic treatment of frozen shoulder syndrome (adhesive capsulitis) utilizing mechanical force, manually assisted short lever adjusting procedures

✅️著者:B. S. Polkinghorn

✅️掲載誌:Journal of Manipulative and Physiological Therapeutics, 1995年

✅️PMID:7790781

✅️形式:症例報告+文献レビュー





研究目的



五十肩(肩関節周囲炎/Adhesive capsulitis)に対し、低刺激の器具を用いたカイロプラクティック調整(Activator Adjusting Instrument)での治療効果を報告すること。



症例概要



✅️患者:53歳女性

✅️経過:6か月以上続く強い肩の痛みと可動域制限

✅️既往治療:NSAIDs、鎮痛薬、理学療法などを複数試したが改善なし

✅️初診時:肩の可動性はほぼゼロ、日常生活動作が大幅に制限される状態







施術内容

施術部位

1.患側の肩関節
2.頸胸椎(Cervicothoracic spine)

手技方法:

✅️機械的力を用いた手動補助の短レバー調整(short lever adjusting)
✅️Activator Adjusting Instrumentを使用




✅️強い関節スラストではなく、低振幅・低力のアプローチ


結果

✅️症状は顕著に改善し、肩の可動域と日常生活機能が回復
✅️激しい痛みも解消し、活動性が向上
✅️既存の高力アジャストメントや徒手モビライゼーションでは得られにくい効果の可能性を示唆




著者の結論

✅️低力の器具調整(特にActivator)は、五十肩のような難治例に有効な治療オプションとなる可能性がある
✅️強い力を使うマニピュレーションでは困難な場合でも、低刺激アプローチは適応できる可能性が高い
✅️より大規模な臨床試験での検証が望まれる






カイロプラクティック臨床への示唆

1.急性期や拘縮期でも施術可能

→ 炎症や痛みが強い時期に、強い徒手矯正はリスクがあるが、低力器具調整なら安全性が高い。
2.肩だけでなく頸胸椎の評価・施術が重要

→ 頸胸椎の可動性と神経支配の改善が、肩の回復に寄与する可能性。
3.既存治療で改善がないケースの選択肢

→ 難治例でも回復を促す新たなアプローチになり得る。




7. けんこうカイロプラクティックセンターでできること



✅️頸椎・胸椎・肩甲骨の可動性回復
✅️神経系の働きを整える(アクティベータ・メソッドなど)
✅️自律神経のバランスを改善し、回復しやすい身体環境を作る
✅️再発防止のための姿勢・動作指導










8. お客さまへのメッセージ



五十肩は「長引くもの」というイメージがありますが、それは肩だけを見ている場合です。 全身の動き・神経系の働き・生活習慣を整えることで、ある日を境に“軽く動く肩”を取り戻す方がたくさんいます。「もう治らない」と思う前に、肩だけでなく身体全体を診る方法を試してみてください。



ご予約・ご来院お待ちしています。